所長ブログ

海士資産形成研修所の所長ブログ

(21)シリコンバレーの銀行が破綻――日米の株式相場の行方

2023年3月11日

毎日新聞によると、「米国で預金保護を担う米連邦預金保険公社FDIC)は10日、カリフォルニア州に拠点を置き新興企業向け融資が中心のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、すべての預金を管理下に置いたと発表した。SVBは1983年設立の中堅銀行。2022年12月末時点の総資産は約2090億ドル(約28・2兆円)、総預金は1754億ドル。銀行の破綻としては、08年のリーマン・ショック時に破綻したワシントン・ミューチュアル以来の規模となる。」とあります。

来週の株式相場が楽しみです。下がるのか上がるのか、まあ、一旦下がって戻ると見るのが妥当でしょう。

しかし、3月10日にこのニュースが出たときに、軒並み地方銀行や大手銀行の株価が下がっていたのに、JPモーガンチェースの株式が3ドル31セント上がって2.54パーセントの上昇を示しました。

会長のジェームス・ダイモンは以前から、「嵐が来るぞ、嵐が来るぞ」と言っていましたが、このことだったのでしょうか?だから、JPモーガンチェースは、その準備をしているだろうから、また、超大手で資産内容も抜群だから上がったのでしょうか?これはある種のインサイダー情報なのか、そうでないのか、わたしのような小物にはわかりませんが、あまり、いい気分にはなれません。

このシリコンバレーに25万ドル以上預けてある個人・法人の方々のこの週末はその対応に頭を痛めているに違いありません。

リーマンショック以来の大型破綻とのことですが、シリコンバレーの新興企業における影響はこれから判明すると思われますが、いままでにもメタやグーグルなどすでに人員解雇を進めている企業に加えて解雇が始まるとなるとそれ相当の影響が経済にあると予想されます。

インフレを抑えるために金利をどんどん引き上げていますが、この破綻のような副作用は予想されていたと思います。これにより雇用状況が緩み、インフレ圧力が弱まり、金利上昇のペースがスローダウンあるいは引き上げの一旦停止が早まれば、株式相場にはプラスになります。

 

しかし、単純に株式相場が大幅上昇になるとは考えられません。株式相場に与えるもう一つの要因である企業業績はどうなっていくのかを見通さなければならないからです。

インフレが収まり、景気が底割れしない状況になれば、日米株式は大幅上昇にはならなくても、しばらくはボックス圏で上下していくと思われます。

深く押したときに買い、欲張らずにある程度で利食いしていく戦略でそこそこ儲かるのではないでしょうか?それにはここまで下がったら買うと決めていたことを着実に実行する勇気が必要ですけど・・・。

そこそこ勇気がある所長より愛を込めて。