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(33)もうはまだなり、まだはもうなり

これは株式投資の有名な格言のひとつです。

株式相場が大きく上がっり、下がってきたときに多くの人が、かなり上がってきたので、もうこれ以上上がらないのではないか、と考える人が多いときは、もうはまだ、引き続き上がり、多くの人がまだまだ、上がると思う人が大半を占めたときに相場は反転するということを表現しています。これが、まだはもうなり、です。

現在の状況はどうでしょうか?

アメリカのS&P500の指標は連日,史上高値を更新しています。日本の相場はまだ、歴史的高値を日経225更新できていない状況です。

今回のアメリカの相場は、いろいろな要因が絡み合っていて難しいです。

一つは(人工知能AI)の存在感、アメリカから遠く離れた国々での戦争からの需要などなどがありますので、簡単には株式市場ははじけないかもしれません。

アメリカを売って日本を買って、日本の投資家がまだ、上がると信じ込み、資金を投入するタイミングで外人投資家は冷静に売り逃げていく、という何度も見た構図が広がってきているのかもしれません。

1989年の夏、わたしは日本にいました。友人が草野球チームを持っていて、人数が足りないから助っ人で来てくれ、と言われ、試合に参加したときでした。友人がこの人は大手証券会社に勤めている俺の友達です、と紹介してくれた。その後、試合中とかその後の飲み会で、「なんかいい株ないですか?」という質問をたくさん受けました。

 

その時、思い出したのは「靴磨きの少年とお客さん」というストーリーです。証券会社で働いていた人が、ある日、靴磨きの少年に磨いてもらうために、椅子に座ったときに、彼がウオール街で働いているのを知っていた少年が「お客さん、靴磨きの代金はいらないから、いい株教えてよ」と言ったときにその証券会社の人間は、「これはヤバイ」と感じ、売り抜けたという小話です。

アメリカの連邦準備委員会は、インフレ対策でかなり金利を上げてきました。3か月CDなどで運用するとかなりの金利もらえるようになっています。一方、日本はどうでしょうか?日本の個人金融資産は2023年7月から9月で2121兆円になっています。このうち銀行などの預貯金で50パーセントが占められています。もし、金利が3パーセントになれば、年間、33兆円ほど金利を個人が受け取れることになります。国民一人当たり、人口1億人でざっと計算すると33万円を年間もらえる計算になります。これをもらえないのに黙っている日本人のなんていい人集まりなのか、信じられません。まあ、日本銀行には逆らえませんが。

金利を上げると様々な影響がでます。国が発行している国債負担増、

ゾンビ企業が銀行から借りているお金の返済難からの倒産増などなどです。経済に取ってどうなるかは人工知能AI)に聞いてみないとわかりません。

本題に戻ると、日本の株式相場はもう、上がらないのか、まだ、大丈夫かですが、今回はやはり日経平均で4万円を超えてくる可能性は高いと感じています。その後はその時の長年の体感に聞くしかわかりませんが、必ず何かバブル崩壊の兆候が出てきます。

2001年にアメリカのインターネットバブルがはじける前に、あるドット・コム銘柄が1日で9倍になりました。この時、わたしは、「これはヤバイ」と感じたことを覚えています。その後、3年間、米国株式相場は低迷しました。

今日は、昔からの友人がわたしとワイフに遠くから会いに来てくれて、フグを食べました。彼が、「何かいい株ないですか?」とわたしに聞いたかどうか、ひれ酒で酔っていたので、忘れてしまいました。

もし、世界的に株式市場が下がったら、インド上場投信を買っておけば、長い目で見れば、S&P500や日経平均を超えるパフォーマンスになるとお話したような気がします。当たるかどうかは、靴磨きの少年に聞いてみないとわかりませんが。

お後がよろしいようで。          2024年2月11日