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海士資産形成研修所の所長ブログ

(32)ちょっとヤバイかも?

3週間前に当社のお客様には株式投資の比率を現在の半分にしていただくように助言させていただきましたが、やはり米国株式相場は少しヤバイかもしれません。

 

投資に関心のない方には理解していただけるように出来るだけ分かり易くご説明します。

米国ではここのところ金利が上昇しています。その理由として景気が思ったより、スローダウンしない。インフレーションも下げ止まりの傾向にある、などマクロ経済(経済全般の動き)の理由があります。また、需要と供給の方の圧力もあります。日本と同様に米国も借金大国です。今年の第4四半期だけでも120兆円のお金を国が借りなければいけません。この金額は昨年の同四半期の2倍以上になっています。しかし、お金を貸してくれる、つまり米国債を買ってくれる投資家が減っています。例えば、中国などは現在の米中関係ではあまりお金を貸したくないのです。むしろ、貸さないで困らせたいという意味合いもあるかもしれません。

 

現在の10年米国債金利は4.8パーセントほどですが、これが今月中には5パーセントを超えると予想する人が65パーセントほどになっています。

 

10年国債金利が5パーセントになるとどうしても株式を購入してリスクを取りながらリターンを期待するより、10年国債を買った方が安心して投資できると一般的には考える人が増えると思います。

 

連邦準備委員会のパウエル議長も金利上昇期間が以前予想したときより、より長く、より高くなるだろうと言っています。

金利上昇により、米国住宅市場は打撃を受けており、そのうち、景気もスローダウンするか

リセッション入りすると思われます。そういう状況が実現してしばらくマクロ景気の状況を見ないと、今後の米国株式相場は見通せませんが、株式比率を下げて、2年物の米国債に投資しておくのが、精神的には楽かもしれません。

 

ご参考になったかわかりませんが、現在、米国に居て、毎日、米国証券相場を見ている人間として、ブログを書かせていただきました。

今後ともよろしくお願いします。