最近の日米の株式相場を見ているとなにかそんなに上がりそうもないし、下がりそうもない、という何か安心感が漂っているようです。
日本で8月5日には史上2番目の下げ率を示したことも遠い過去のようです。なぜ、この安心感が漂っているのでしょうか?
- 米国景気はしたたかな個人消費に支えられ、リセッションにはなりそうもない。
- 遠くの戦争は日米の武器関連企業にとっては悪くない。
- 雇用も確りしてる。
などなどの理由があげられているようです。
わたしにも根拠はないのですが、今は典型的な「まだはもうなり、もうはまだなり」相場のような気がします。すなわち、いま、ほとんどの人が、戦争は各地に起こっているがそれほど今以上に拡大・悪化しない、など本当にまだ大丈夫と考えている節がうかがえます。まさにまだはもうなり、です。まだまだ大丈夫と思ったとき、というか知らないうちに安心していることが、まだ、大丈夫ということになっているのです。もう、相場はまた暴落するぞ、と思っている人がかなり少なくなっています。
戦争の拡大、金価格の歴史的高値更新など、何か不気味な気配を感じます。
ゴールドマンサックス証券もこれからの10年は過去の10年よりGDPの伸び率は低下すると予測しています。その理由として
マグニフィセント・セブン(アルファグループ、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアで構成されている企業7社)の過去の高い成長率を同じように高い成長は達成できない、という理由です。その他、いろいろ言っていましたが、忘れました。
もし、リセッションになれば、過去のS&P500の例を見てみると業績の落ち込みは厳しいものになります。
1989年第2四半期から1991年第4四半期 -24.4%
2000年第3四半期から2001年第4四半期 ー31.6%
2007年第2四半期から2009年第3四半期 ー56.7%
2019年第4四半期から2020年第4四半期 ―22.1%
この業績の落ち込みに比例して相場が下がるとは思いませんが、それ相当の下げは予想しておいた方がいいのではないかと考えています。最後のリセッションからまだ、4年ですから、まだ大丈夫かもしれません。
しかし、株式の保有比率を少し下げた方がいいかもしれません。当たるかどうかわかりませんご参考になれば幸いです。
2024年10月22日
大島健志郎 株式会社海士資産形成研修所